SharePoint Serverファーム構築前の準備と注意点

アドバンスド · ソリューション株式会社 三瀧真由美


SharePoint Serverを検証する環境をスムーズに構築するために、事前に決めておくパラメータと注意する点をまとめました。

   

(1)パラメータを決める&文書に残す

SharePoint Serverファームを構築する際に最低限必要な固有のパラメータは、構築前に値を決めて文書に残しておきましょう。
こうすることで、構築をやり直したり、同じ構成のファームを複数用意したりする場合に、ぶれがなくなります。
Active Directory、Windows Server OS、SQL Server、SharePoint Server について、それぞれ以下のパラメータを決めるとよいでしょう。

Active Directory

パラメータ

サンプル値

備考

ドメイン名

contoso.com

  

DNSサーバー IPアドレス(プライマリ)

xxx.xxx.xxx.xxx

  


Windows Server OS

パラメータ

サンプル値

備考

コンピューター名

SPS13DEV01

  

IPアドレス

xxx.xxx.xxx.xxx

  

CPU

4

  

メモリ

8GB

  

Cドライブ

300GB

  

Windows OS バージョン

Windows Server 2012 R2

 2015年2月時点での最新

Windows Server OSエディション

Standard

  

Windows Server OSサービスパック

なし

 2015年2月時点での最新

Windows Server OS修正プログラム

 

  

App.Fabric バージョン

 

  

App.Fabric 更新プログラム

Microsoft Windows Server AppFabric 1.1 CU5(KB2932678)

2015年2月時点での最新 

 

SQL Server

パラメータ

サンプル値

備考

SQL Serverバージョン

SQL Server 2014

※2015年2月時点での最新
※SharePoint Server は2014年5月CU以上の適用が必要

SQL Serverエディション

Standard

Standard/Enterpriseのいずれかにする

SQL Serverサービスパック

なし

※2015年2月時点での最新
以下の技術情報で最新を確認できる
SQL Server 2014 のビルド バージョン
http://support.microsoft.com/kb/2936603/ja

SQL Server更新プログラム

Cumulative update package 5 for SQL Server 2014

※2015年2月時点での最新
以下の技術情報で最新を確認できる
SQL Server 2014 のビルド バージョン
http://support.microsoft.com/kb/2936603/ja

プロダクトキー

**********

 

SQL Server セットアップ/操作アカウント

contoso\svadmin

必要な権限
•ドメイン ユーザー アカウント
•セットアップを実行する各サーバーの Administrators グループのメンバー

SQL Server サービスアカウント

contoso\sqlservice

必要な権限
•ドメイン ユーザー アカウント
•セットアップを実行する各サーバーの Administrators グループのメンバー
•SQL Server を実行するコンピューターの SQL Server ログイン
•以下の SQL Server ロールのメンバーであること
? securityadmin 固定サーバー ロール
? dbcreator 固定サーバー ロール

インスタンス名

既定(SQLSERVER)

 


SharePoint Serverインストール

パラメータ

サンプル値

備考

SharePoint Serverバージョン

SharePoint Server 2013

※2015年2月時点での最新  

SharePoint Serverエディション

Standard

Standard/Enterpriseのいずれか

SharePoint Serverサービスパック

Service Pack 1
KB 2850036

KB 2850035

※2015年2月時点での最新
以下のサイトで最新を確認できる
Office Update
http://technet.microsoft.com/library/dn789213(v=office.14)
 Latest Update for Office 2013
  Latest Service Pack
または
SharePoint Updates
https://technet.microsoft.com/library/dn789211(v=office.14)

SharePoint Server更新プログラム

February 2014 PU
KB3032763

※2015年2月時点での最新
以下のサイトで最新を確認できる
Office Update
http://technet.microsoft.com/library/dn789213(v=office.14)
 Latest Update for Office 2013
  Latest Public Update
または
SharePoint Updates
https://technet.microsoft.com/library/dn789211(v=office.14)

SharePoint Server言語パック

英語

SharePoint Server 2013 の言語パック
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff463597.aspx
SharePoint Server 2013 SP1 の言語パック - [日本語]
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=42082

SharePoint Server言語パック サービスパック

Service Pack 1
KB 2850036

KB 2850035

※2015年2月時点での最新
最新バージョンの確認はSharePoint Serverと同じ情報を参照する

プロダクトキー

**********

 


SharePoint Server ファーム構成ウィザード

パラメータ

サンプル値

備考

サーバーの種類

完全

 

データベースサーバー

SPS13DEV01\SQLSERVER

 

データベース名

SharePoint_Config

 

データーベース アクセス アカウント

contoso\spsfarmadmin

ドメイン ユーザー アカウント
※SharePointとSQLで必要な権限は自動的に付与される

パスフレーズ

P@ssphr@se1!

ちなみに忘れた場合は新しく作ることができる

ポートを指定する

10000

サーバーの全体管理サイトのポート番号
自動で選択されるポートでもよい

セキュリティ設定の構成

NTLM

 


パラメータが用意できたら、インストールを始めたくなりますが、その前に・・・


(2)インストール前に確認しておきたい注意点

OSの設定で以下の点を確認しましょう。
インストールがうまくいかない原因が意外とこれらの設定だったりします。

Windows ファイアウォールを無効にする

Windows ファイアウォールが有効になっていると、サーバー間の通信ができず、インストールが失敗することがあります。
インストール前にWindowsファイアウォールを確認して、インストール作業中は無効にしておきます。
SQL ServerとSharePoint Serverを別サーバーにインストールする場合は、必ずWindows ファイアウォールを無効にしましょう。
社内ポリシー等の制約でWindowsファイアウォールを無効にできない場合は、SQL ServerとSharePoint Serverが使用するポートを個別に許可する設定にします。

※SQL Serverが使用するポートをWindows ファイアウォールで開く手順
SharePoint 2013 環境用の SQL Server セキュリティを構成する
Windows ファイアウォールを構成して手動で割り当てられたポートを開く
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff607733.aspx#proc3

※SharePoint ファームが使うポートの一覧
SharePoint 2013 でセキュリティ強化を計画する
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262849.aspx
「ポートとプロトコル」参照

UAC(User Account Control)を無効にする

UAC(User Account Control) が有効になっていると、インストール作業中に許可を求めるポップアップが表示されたり、インストールが失敗することがあります。
インストール前にUAC(User Account Control)を無効にしておきます。
社内ポリシー等の制約でUAC(User Account Control)を有効にする必要がある場合は、作業中は無効にして、インストールとファーム構築完了後に有効にしましょう。

※UACを無効にする手順
Disabling User Account Control (UAC) on Windows Server
http://support.microsoft.com/kb/2526083

 

SharePointをインストールするサーバーがインターネットに接続できること

SharePoint Server のインストールを実行すると、最初に製品準備ツールで必須コンポーネントが始まりますが、その際にインターネットに接続できる必要があります。
SharePoint Serverをインストールサーバーがインターネットに接続できることを確認しておきましょう。
サーバーがインターネットに接続できない場合は、必須コンポーネントのインストーラーを別の環境に用意するなどして、オフラインでインストールします。

※必須コンポーネントをオフラインでインストールする手順
ネットワーク共有から SharePoint 2013 の必須コンポーネントをインストールする
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff686793.aspx

インターネットに接続されていない環境に SharePoint Server 2013 をインストールする方法http://blogs.technet.com/b/sharepoint_support/archive/2014/03/13/sharepoint2013_2d00_install_2d00_prerequisites_2d00_offline.aspx