SharePoint 2013にサードベンダー製のPDF i-Filterを導入してみた! (1)導入編~

株式会社PFU 千葉辰典


前回のTips、『大きなサイズのPDFファイルが検索で見つからない!』を調査している過程で、SharePoint 2013標準ではなく、サードパーティ製のIFilterを導入することで問題解決できるのではないか?と言う議論がありました。つまり標準機能より早く解析処理を終えることができれば、タイムアウト(30秒)を回避できるのでは?・・・と言うことです。

 

PDFファイルのIFilterとしては、無償のAdobe PDF iFilterや、有償のFoxit PDF iFilterが広く知られていると思います。

SharePoint 2010までのバージョンでは、PDFファイルを全文検索するためには各自でPDF用のIFilterを導入する必要がありました。SharePoint 2013になって、周知のとおり、標準でPDFの全文検索が可能となっていますが、2014年7月CUを適用することでサードパーティ製IFilterが使えるようになります。

 

今回のTipsでは、SharePoint 2013でのサードパーティ製IFilterの導入手順と、その検証結果について述べたいと思います。

長くなるので、(1)導入編と、(2)検証編の2編でお届けいたします。

 

-----

今回の検証では冒頭に挙げた下表2製品を使いました。他にも PDFlib TET PDF IFilterと言う製品もありますが、評価版では制限があるとのことで除外しました。

なお、Adobe PDF iFilterはSharePoint 2013でテスト済みとは明記されておりませんが、検証のため自己責任で使用しました。本稿がSharePoint 2013での動作を保証するものではございませんのでご注意ください。

製品 bit バージョン 製品形態 サポートSharePointバージョン
Adobe PDF iFilter 64-bit 11.0.01 無償版 SharePoint 2007
SharePoint 2010
Foxit PDF IFilter 64-bit 3.0.2 30日評価版 SharePoint 2007
SharePoint 2010
SharePoint 2013

 

サードパーティ製のIFilterの導入手順は、海外の一般ブログ(英語)や、FoxitのTechnical FAQからリンクされているサーバマニュアル(PDF)を参考にしています。

 

-----

ではさっそくサードパーティ製IFilterを導入してみましょう。Adobe PDF iFilterもFoxit PDF IFilterも手順は同じです。

<手順概要>

  1. IFilterのインストール
  2. PDFアイコンファイルの差し替え
  3. サードパーティIFilter有効化
  4. サービス再起動

 

<手順詳細>

1.     IFilterのインストール

対象のサーバーに、事前にダウンロードした任意のIFilterをインストールします。

Adobe PDF iFilterもFoxit PDF IFilterも、インストーラーに従って進むだけで簡単にインストールできます。

※有償版のFoxit PDF IFilterを導入する場合には、インストール後にアクティベーションが必要です。

 

2.     PDFアイコンファイルの差し替え

特に変更する必要性はないと思いますが、任意でSharePoint標準のPDFアイコンをAdobeまたはFoxitが提供するアイコンに変更することができます。アイコン差し替えの手順はSharePoint 2010の時と同じですので、ここでは割愛させていただきます。

 

3.     サードパーティIFilter有効化

3-1) まず、サードパーティ製IFilterの利用有無状態を確認します。

SharePointサーバーで[SharePoint 2010 管理シェル]を管理者権限で、下記コマンドを実行します。

Get-SPEnterpriseSearchFileFormat -SearchApplication {検索サービスアプリケーション名} pdf

 

3-2) PDFファイルの関連付け情報が表示されます。

"UseIFilter"の値が[False]の場合は標準機能、[True]の場合は任意のIFilterが有効な状態です。

tips2_1.png 

3-3) 下記コマンドを実行し、"UseIFilter"の値を有効化します。

Set-SPEnterpriseSearchFileFormatState -SearchApplication {検索サービスアプリケーション名} pdf $true $true

 

3-4) 変更が実行され、警告メッセージが表示されます。

tips2_2.png 

3-5) 3-1項と同じコマンドを実行し、変更されているか確認してみましょう。

tips2_3.png 

4.     サービス再起動

4-1) 下記コマンドを実行し、IISを再起動します。

iisreset

 

4-2) 下記コマンドを順番に実行し、"SharePoint Search Host Controller" サービスを再起動します。

net stop spsearchhostcontroller

net start spsearchhostcontroller

 

4-3) 下記コマンドを順番に実行し、"SharePoint Server Search 15" サービスを再起動します。

net stop osearch15

net start osearch15

 

以上でサードパーティ製IFilterの導入は完了です。

 

なお、標準のIFilterに戻すには、管理シェルで下記コマンドを実行後に前述4項のサービス再起動を実行してください。

Set-SPEnterpriseSearchFileFormatState -SearchApplication {検索サービスアプリケーション名} pdf $true $False

 

非常に簡単に導入できますので、後編(2)検証編を見ていただき興味を持たれた方は、是非試してみてください。

今回は以上です。

 

-----

弊社(株式会社PFU)では、自社で培ったSharePoint&文書管理のノウハウと、SharePoint向けアドオンソリューション「ドキュメントソリューション for SharePoint」で、紙文書・電子データの積極的活用を実現するお手伝いをしています。ご興味のある方は、こちらからお問い合わせ下さい。

株式会社PFU)千葉辰典
© PFU LIMITED 2015

 

Microsoft、Windows、SharePoint、Excel、Word、PowerPoint、Outlookは、米国Microsoft Corporationの、米国、日本およびその他の国における登録商標または商標です。
PDF iFilterは、Adobe Systems Incorporated(アドビ システムズ社)の米国ならびに他の国における商標または登録商標です。
記載された会社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

 

以上。